「登竜門」(とうりゅうもん)

仏の教え

 一般的には狭き道、関門として語られ、入試、試験、試練の類語としても用いられる「登竜門」ですが、語源はおそらく「後漢書」の李膺伝(りようでん)からと思われ、元来は門自体よりも、急流な滝を昇りきる大切さを説かれたものとおもわれます。
 故事が伝わると「鯉の滝昇り」等の言葉や、端午の節句の「鯉のぼり」として、日本の風物詩にも欠かせない文化として定着してきました。
 仏教、特に禅宗ではこの故事とお釈迦様の教えを重ねて、「登竜門」をお悟りの関門、滝登りを修行ととらえて、魚であっても仏の教えに導かれて修行を欲して、竜と成るを目指すを示衆し、その指針とすべく、修行僧の生活の中心である禅堂の鳴らし物のの一つとして掲げられたものと思われます。
 鳴らし物の名前=梆(ほう)、これを原型に腹部に丸みをもたせて、音質をふくよかに響くようにしたものが現在の木魚であるともいわれています。
 当正安寺にて掲げられている梆(ほう)は、大本山永平寺僧堂のものと型を一にし、スケールは7/10にて、欅の一木作りにて仕上げられております。
 現在築250年の僧堂は傷み激しく、倒壊のおそれもあるため、庫裡表廊下に仮安置しております。