本年3月20日(金)、[開山忌並檀信徒春彼岸会]に向けて

行事

 本年も正安寺の恒規(ごうき)行持である、「開山忌並びに檀信徒春彼岸会先祖法要」の季節となりました。
 檀信徒皆様方各家におかれましても、ご先祖様が大勢になられますと、たまたま同じ年に何名もの故人の回忌に当たることもあります。
 それぞれのご先祖様方に、それぞれの時代を生き貫き、私達に命や思いを継承されてきた尊さ、お徳があるとはいえ、同年に何名ものご法要を繰り返すことは、生活上無理も生じます。
 そこで、通常は秘仏とされ非公開の正安寺御開山様のご真像を招き、法堂(はっとう)を用いて組寺の和尚様方の随喜(ずいき)もにて、開山忌と同時に各家の先祖代々の御先祖供養をお勤めしております。
 10名以上のご住職様方により勤められる法要では、普段では用いられない立磬(りゅうけい)、立木(りゅうもく)の力強く響く音聲(おんじょう)と共に、御先祖様方のご供養だけでなく、それぞれの施主家へのご冥護も祈念する法要となります。
 また、法要後には正安寺大広間「瑞珖蔵(ずいこうぞう)」にて、軽食による懇親お斉(とき)の席が設けられ、正安寺什物の一部を間近にて披露も致しております。
 美術館や博物館であっても、その希少性から近づいて観察できないような品も、含まれている年もございますので、御先祖様方と共に古の寺院の姿や佇まいにも、思いを馳せていただき、襖絵や寺社建築、什物や清々しい清涼感、御住職様方の大勢でお勤めされる威儀作法や仏具の音聲から、僅かでも興味や親しみを感じていただけたら有り難く存じます。
 既に檀信徒各家皆様方には、往復葉書にてご案内が届いているかと思われます。ご参加ご出席をきぼうされます方は、返信をお待ち致しております。
  さてお彼岸は、春分・秋分を真ん中にはさんだ七日間のことをいいます。「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるように、お彼岸はちょうど夏から秋、冬から春への季節の境目にあたります。彼岸の中日、つまり春分と秋分の日は、昼の時間と夜の時間が等しくなります。 この日は太陽が真東からのぼり、真西に沈むので、信仰の深いものが夕刻日没の方角を望むと、極楽浄土の姿を見ることができると伝えられています。 また、仏教には、極端から極端にはしってはならないという、「中道」(ちゅうどう)という教えがあり、その教えに関係して彼岸会が盛んになったともいわれています。 記録上ではじめて彼岸会が行われたのは、大同元年(八0六)、政争に巻き込まれて悲惨な最期をとげた早良親王に崇道天皇の名をおくり、その霊を慰めたときであるといわれています。 ちなみに「彼岸」というのは、梵語のパーラミター(波羅蜜多)を訳したもので、「こちらの岸から向こう岸に渡る」という意味で、つまり迷いや煩悩に満ちたこちらの岸「此岸」(しがん)を離れて、仏の教えの世界「彼岸」に至るのだという願いがこめられているのです。 仏の教えでは、此岸から彼岸に渡るための方法として、六つの教えを説き、これを「六波羅蜜」(ろっぱらみつ)の教えといっています。
六波羅蜜の教え
1布施(ふせ)
 物事に極端に執着したり、報いを求めない
2持戒(じかい)
 仏の戒めを守る
3忍褥(にんにく)
 よく堪え忍ぶ
4精進(しょうじん)
 正しい努力をする
5禅定(ぜんじょう)
 心の乱れを抑える
6智慧(ちえ)
 正しいものの見方をする
 正安寺では、お彼岸の中日にあたり、御開山海秀玄岱禅師開山忌とあわせ、各家檀信徒御先祖様の御供養を修行し、私共おたがいの生活を見つめ直す機縁とさせていただいております。 仏様、御先祖様の御冥護を頂戴して、檀信徒各家皆様方がますます御清栄でありますよう、御祈念いたします。
         
          
各種行事に披露される什物