正安寺檀信徒の皆様方もご承知の通り、先代の三十六世東堂(とうどう)老師並びに現三十七世住職により、正安寺本体の整備だけでなく、所有する山林他各地目や、境界線、税務署、法務局や消防関係各所等も含めた関係や、付随する設備等の登録や維持管理諸類等、順次次第に登録や整備、登記や保管をしてまいりました。
正安寺自身の由来では、1072年の開創となりますが、宗教法人法上では昭和28年として法務局に登記されています。
住職としては、話す内容や諸類のやり取りに関して、双方の事情や所以を知っておく必要があり、現実上の記録のみでは寺院住職して差配不可能な場面にも出くわすこととなります。
およそ戦後の農地解放においては、境内地30,000坪から境内地5000坪に縮小され、その差25,000坪が返却や買い戻し等もなく、全て解放となった特異な寺院として、県内でも有名なことを以前に記しました。
さらに、それ以前の明治政府の上地(あげち)政策により、国道から正安寺に至る石階段が国有資産として召し上げられた事実もあります。現在正安寺の表玄関のように位置する、石階段の参道を整備するため、平成時代に国が管理しきれなくなった上地を各市町村に転記したことを知り、現住職も折衝を試みましたが、様々な制約や金員が折り合わず現況、正安寺所有の境内地から外れた市道となっております。
誰が見ても正安寺の参道と映るため、正安寺に問い合わせが来ることもありますが、以上の経緯も説明して整備や管理責任については、本来の市町村に尋ねていただくようお答えしています。
また農地解放時に解放を受けた側の相当数が地目を宅地に変更し、第三者に売り渡したことから、正安寺での買い戻し作業も難しくなり、三代に渡る整備計画にてやっと、少しずつではありますが境内の環境整備も整ってきたところであります。
正安寺が所有する管理地目は境内地は勿論のこと、原野・雑種地・畑地・田町・山林のそれぞれがあり、一般に勘違いされがちですが、無税となるのは境内地のみです。
現在、それぞれの地目同様に、山林の整備手入れを佐久森林組合とともに、5ヶ年計画で実行しているところですが、伐期のカラマツを搬出し、新たに苗木を植栽しております。
国道254バイパスからもよく見えるため、その搬出量から金銭的問い合わせをされる方もおられますが、現在の木材需要や運搬経費等の事情もあり、結果的に5ヶ年の計画完了時でも正安寺の収入は50万円未満と予想されております。
かたや昨今の風雨の激しさから、境内墓地の杉の一部伐採が検討され、計画予定に載せましたが、こちらの見積もりは10日間あまりで250万円の支出が見込まれています。
寺院はその実体と法律との乖離が大きく、当正安寺では水道も下水道も通じていないため、独自に自前にて上下水道を整備しております。しかし、消防機関では面積からの寺院義務とのことにて、消火栓の3箇所の設置を求められ、当初700万円の見積もり書を受けました。
下水道もないため独自に浄化槽を設けましたが、こちらも法律が面積割りとのことにて、150人槽を設置され、結果毎年の点検のみで40万円の支出が生じています。
これらの設備費や維持費、管理費支出のたびに、住職は関係各所と打ち合わせをして法的な矛盾やメーカー毎の機器の値段を比較するなどしながら、少しでも檀信徒の負担を抑制すべく、交渉を続けております。
様々にご心配いただく声もございますが、まず現住職は下調べや記録や全国の平均値等も調べ、出来得る限り効率的で檀信徒にとってより利便性が向上される計画が予定に載ることを第一に取り組んでおりますので、皆様方にも住職の取り組みに対し、ご支援ご理解をいただければ励みになります。
寶壽山(ほうじゅさん)、正安寺山の整備他
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