講座(2) 葬儀式の内容 ⑧「お経の内容6」

仏の教え

 2、知足(ちそく)
 前述したように小欲と知足は合わせた熟語にもなっおり、その関係は表裏一体的なものです。小欲を学び進んでいけば必ず、知足について思慮すべき場に至り、知足の理解が進展すれば同時に、小欲の理解も深くなるということです。
 欲の心を小さくすることは、満足の心を知ることでもあります。しかし知足について学ぶ際にも、而今自己に直面している事象が、満足すべきものなのか、どこまでを満足とし、どこまでが不足であるのか、また生活している国、場所、立場、環境、歴史、現実、時代の変遷にもよって、学ぶべき対象や、その尺度も変化するのではないか、等深慮した上での知足(ちそく)であることが大事となります。
 やはり元来は仏語に関係する言葉とおもわれますが、「報恩感謝」(ほうおんかんしゃ)という言葉があり、四字熟語としては「報恩謝徳」(ほうおんしゃとく)とならわしているようです。恩に報いて感謝(有難きを感じて謝意を表する)する心、または受けた恩義に感謝し、対し報わずにはいられない心持ちのこととされています。小欲を報恩に、知足を感謝に配して解釈される場合もあります。
 仏教では「四恩」(しおん)といい、恩義を四種に分類して示しております。ただし出典元の経典により多少の差異がありますが、おおよそ現代に合わせた意味内容にすると、天地自然・父母(祖先)・国(師・先生・医療福祉)・衆生(しゅじょう=命あるもの・友・仲間)となるのではと思われます。
 よって「小欲知足」を簡潔に申せば、現在の自己力量を超えたものを欲する心は抑え気味にし、様々な恩義に感謝し報いたいと思う心が育ち、お互いにお陰様でと生活できるような環境を整えるべく、勤めることを仏道修行の一環とする教えとも言えましょう。
法堂(はっとう)須弥壇(しゅみだん)横の隠元灯籠          
同じく大間(だいま)横の隠元灯篭