講座(4)『修証義』の教え⑫

仏の教え

 【本文解説】
 また、それだけでなく、いざ己が身に死が迫り来たった時には、どのような地位や権力、財産であろうと、愛情を注ぐ家族や親族、友人達の助力があろうとも助かる術は無く、唯己が独りにて仏の世界へ旅立たなくてはならないのです。
 その時に唯一従いついてくるものは、良きこと悪しきこと、生前の己が行った事実と、その心の有り様、心の姿のみといえましょう。
 このように仏の教えの有難いところは、人としての価値を、その地位や名誉、財産や容姿、能力のみにより、安易に判断しないところです。
 あくまで、そのひとが様々な場面で、どのように考え、どのように生きてこられたのか、それぞれの行いと心構えにより、人間としての意義を、再度みつめ直させる機縁を設けているのです。    つづく
第一期災害復旧工事として、駐車場石積み基礎の補修。