講座(4)『修証義』の教え㉓(第3章 受戒入位)

仏の教え

第三章「受戒入位」(じゅかいにゅうい)

〇次には深く仏法僧の三宝を敬い奉るべし、生を易(か)へ身を易へても三宝を供養し敬い奉らんことを願ふべし、西天東土仏祖正伝する所は恭敬(くぎょう)仏法僧なり。

 【用語解説】
 三宝(さんぼう)=仏様と、その教えと、その教えを実践する信徒。

 【本文解説】
 さて、いよいよ第三章「受戒入位」の解説となります。ここでは、第二章の心から懺悔をし、己の心構えを見つめ直しながら生活していく自覚が、芽生えた後の仏教徒のあり方について説かれます。
 第一章「総序」により、人生の様相、あり方を把握し、第二章「懺悔滅罪」によって、己自身の反省を促した後には、この「受戒入位」の章にて、私たち人間が人間らしく生活していくことの大事を説かれた仏様と、その仏さまが説かれた多くの教え、更にその教えを信奉して学び実践して生きていこうとする仏教徒の仲間たちを、己の最も大切な三つの宝、よりどころとして、深く深く敬い尊び、実践することを勧めるのです。
              
               
一月十日「修正会」にて披露した正安寺什物、安土桃山時代から江戸後期にかけての双幅掛軸三点。