「三月二十一日 開山忌・檀越家春彼岸会」の様子

行事

 毎年、春彼岸のお中日に営まれる正安寺の「開山忌並檀越家春彼岸会先祖法要」(かいさんきならびにだんのつけはるひがんえせんぞほうよう)は、十七回忌、二十三回忌等、ご先祖様方の回忌も進み、各ご家庭単独でお客様をお呼びしてまでのご法事までは・・・と、考えられているご家庭等が参加される恒規行事(ごうきぎょうじ)で、当山の御開山である海秀玄岱禅師も年一度のご開帳にて開山忌とともにお勤めされております。

 お彼岸は、春分・秋分を真ん中にはさんだ七日間のことをいい、「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるように、お彼岸はちょうど夏から秋、冬から春への季節の境目にあたります。彼岸の中日、つまり春分と秋分の日は、昼の時間と夜の時間が等しくなりまた、この日は太陽が真東からのぼり、真西に沈むので、信仰の深いものが夕刻日没の方角を望むと、極楽浄土の姿を見ることができるとも伝えられています。

 また、仏教には「仏の教え」にて記したように、極端から極端にはしってはならないという、「中道」(ちゅうどう)という教えもあり、その教えに関係して彼岸会が盛んになったともいわれています。 記録上ではじめて彼岸会が行われたのは、大同元年(806)、政争に巻き込まれて悲惨な最期をとげた早良親王に崇道天皇の名をおくり、その霊を慰めたときであるともいわれております。ちなみに「彼岸」というのは、梵語のパーラミター(波羅蜜多)を訳したもので、迷いや煩悩に満ちたこちらの岸「此岸」(しがん)を離れて、仏の教えの世界であるかの岸「彼岸」(ひがん)に至るのだという願いがこめられているのです。仏の教えでは、此岸から彼岸に渡るための方法として、六つの教えを説き、これを「六波羅蜜」(ろっぱらみつ)の教えといっております。

「六波羅蜜」の教え
1 布施(ふせ)物事に極端に執着したり、報いを
  求めない
2 持戒(じかい)仏の戒め(いましめ)を守る 
3 忍褥(にんにく)よく堪え忍ぶ
4 精進(しょうじん)正しい努力をする
5 禅定(ぜんじょう)心の乱れを抑える
6 智慧(ちえ)正しいものの見方をする

 正安寺では、お彼岸の中日にあたり、御開山海秀玄岱禅師の開山忌とあわせ、各家檀信徒御先祖様の御供養を修行し、仏様、御先祖様方の御冥護を頂戴して、檀信徒各家皆様方がますます御清栄でありますよう、御祈念しまた、ご参加の檀越家には先祖代々の卒塔婆が配られ、法要後は別室にて軽食を兼ねての茶話会にてお過ごしいただいております。
 御開山海秀玄岱禅師のご尊像を法堂にご開帳しての荘厳(しょうごん)。
 組寺(くみじ)の和尚様方に御随喜(ごずいき)いただいての法要。
 参加者は須弥壇前まで進み、御開山ご尊像を目前としながらご焼香、また御先祖様方のご冥福と御冥護を祈する。