はじめて大学等で、都会へ子供たちを送り出されるご家庭へ。

重要なお知らせ

 【正師を得ざれば学ばざるに如かず(しょうしをえざれば、まなばざるにしかず)】

 永平寺の御開山、道元禅師のお言葉です。 私達は己に合った正しく導き教示してくれる先人に教えを請い、教育を歴てはじめて、誤った考え、行動、躾、思想、ものの判断を決めています。 
 この教え自体が誤っていたり、教示する先人自身が己にとっての正師でなく、自らに合わない教育を受け続けた場合等、善悪を含め正しい判断等を下せるべくもありません。
 一時、無宗教を公言することが高学歴で、社会的立場がある證明かのような錯覚を持たれる方もおられましたが、他国にて無宗教を公言した場合、反社会的新興宗教予備軍として認知されることもあります。
 自身の宗教に対して明確な意思があるほど、反社会的団体に勧誘されにくいと捉えられているからです。 大学自身が実質公開の場として、どなたでも出入りできるので、学生を装いサークル、セミナー募集と称して新興宗教に勧誘される事もあります。ご家庭の宗教が確立されている場合は、親からも子供にしっかり確認するべきかもしれません。
 各ご家庭の後継者は暗黙の了解もあり、その家庭に伝わる宗教に多少なりとも関心を持つ機会がおとずれますが、後継者以外の例えば二男や三男等、結婚され新宅を構えられたお家、また娘であっても結婚相手が跡取り以外の男性で、嫁いだ家庭が新宅となる場合、これらの家庭は実質的には未だ家庭の宗教が確立されていない状態と言えます。
 よく間違われるのが、このような状態のご家庭は、実家が〇〇寺の檀家だから自分達もそうだと思っていることです。 寺院側はあくまで届け出があり、世帯主の了承がなければ檀家として勝手な登録は致しません。
 当正安寺では、このような状態のご家庭の場合は特に、早めにご入檀され菩提寺ぼだいじ(葬儀や法要を勤めてもらう特定の寺院のこと)を決めて、小さくとも仏壇を設けて、手を合わせる習慣を身につけることをお勧めしております。
 それというのも、このような実質的に無宗教状態で生活された子供達は、家庭の宗教観という意識が薄く、都会等で真新しく感じる教えや考え方に接すると無闇に関心を示して、大学等の進学と同時に稀に偽善的な新興宗教に入信してしまう例が後を絶たないからです。
 寺院の広報に賛否両論あることも当然です。 一方でオウム真理教と称する宗教団体を名乗る反社会的団体が若者を中心に勧誘して起こした事件、多くの方々が犠牲になられ、この日本で実際に起きたことも事実であり、このような若い世代が、本来の仏教を前もって学んでくれていれば、と思わずにはいられない気持ちもございます。
 私とは違う思いや行動で、それぞれの寺院の護持運営や、御檀家様との関係を、精一杯構築されているいる和尚様方も大勢いらっしゃいます。
 己の思考や行動、寺院広報の仕方が正しいとか唯一勝れているとは思っておりません。たまたま私自身は現代の状況下で、このような取組をさせていただき、賛否も含めてそれぞれ各個人がしっかりと自身の眼で比較検討され、後悔のない正師の如き菩提寺様を発見出来る一助になることを望んでおります。
                 
              
曹洞宗寶壽山正安寺では、菩提寺の法堂(はっとう)を使用した厳かで心に残るお見送りを推奨しております。