講座(4)『修証義』の教え㉘

仏の教え

 〇此帰依仏法僧の功徳必ず感応道交する時成就するなり、設い天上人間地獄鬼畜なりと雖も感応道交すれば必ず帰依し奉るなり、已に帰依し奉るが如きは、生生世世在在処処に増長し必ず積功累徳し阿耨多羅三藐三菩提を成就するなり、知るべし三帰の功徳其れ最尊最上甚深不可思議なりということ世尊已に証明しまします、衆生当に信受すべし。

 【用語解説】
 感応道交(かんのうどうきょう)=生きとし生けるものの理智感情に仏が働き応じて、教えを示すこと。
 阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい)=仏の覚(さと)りの境涯。

【本文解説】
 とかく私達人間は、己の不勉強を棚に上げながら、様々なことに精通したつもりになっていることが、少なくありません。信仰や仏の教えといったことに関しても、同様です。
 「私は無宗教です」、「私は不信仰ですから」、等という言葉もしばしば聞かれますが、そのような方達にも真の教え、信仰すべきものを、心が求める時節が必ず訪れるものです。
 仏・法・僧の三宝をより所として歩む仏教徒の心構えは、己が意識せずとも、仏と私達の心の機微が重なっているから起こるものだと言うのです。
 それは人間社会だけでなく、それ以外に存在する動植物をはじめとした全ての存在に通じており、ふとした瞬間に仏心を起こし、その心に導かれながら教えを理解し、実践してゆく中で生長し、必ずや自他を含む生きとし生けるものの尊さに目覚めるのです。
 仏・法・僧の三宝に接し、敬い理解する尊さは、元来私達と同じく多くの悩みや迷いを抱えながら、ついには三宝に導かれ仏となったお釈迦様ご自身が証明されております。
 ここでは、私達仏教徒が先達にならい、まず三宝をしっかりと守り、大切に伝えてゆくべき大事を示しているのです。
正安寺所蔵 掛軸「華」 当山十六世大梅法選禅師御真筆 「華美人ノ性ニ似テ欠語。竹君子ノ如シテ只無心。」                     大梅禅師は江戸中期の曹洞宗の僧にして、信濃の人。号は大梅山人。九才で信濃正安寺の鼓山寛膺につき得度、後には月舟宗胡・雲山愚白・卍山道白・徳翁良高等、江戸期曹洞宗復興に寄与した歴々に参禅、上総大空庵は量外頑器に面受、大空慈門の法を嗣ぎ、正安寺十六世となり、晩年には曹洞宗大本山総持寺の貫首を勤める。